「沖縄の基地負担軽減に全力」方法は辺野古移設首相がビデオメッセージ - 東京新聞

　安倍晋三首相は２３日の沖縄全戦没者追悼式に寄せたビデオメッセージで、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を念頭に「政府として基地負担軽減に向け、１つ１つ確実に結果を出していく決意だ」と述べた。

沖縄全戦没者追悼式で流された、安倍首相のビデオによるあいさつ＝２３日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園で

　首相は「沖縄の方々には米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいている」と指摘。「引き続き『できることはすべて行う』との方針の下、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くしていく」と述べた。

　普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、今月７日の県議選で反対する勢力が過半数を確保している。菅義偉官房長官は２３日の記者会見で、沖縄の民意にどう寄り添うかを問われ「地元の皆さんのご理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の１日も早い全面的な返還を実現する」と述べるにとどめた。

　辺野古の埋め立て海域周辺では軟弱地盤が見つかったことから、完成が当初予定より１０年以上遅れ、総事業費は少なくとも２・７倍の９３００億円に膨れ上がる。政府は巨額の追加コストが判明した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備停止を決めたが、辺野古の新基地建設は推進する姿勢を崩していない。（上野実輝彦）