中国中部の湖北省武漢市を中心に集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、国の専門家グループの一員として現地調査に入った北京大学第一医院の王広発医師がウイルスに感染していたことが分かった。22日、中国国営中央テレビなどが伝えた。王氏は重症急性呼吸器症候群(SARS)研究の第一人者としても知られ、隔離された場所で治療中で、容体は安定しているという。
【写真】コロナウイルスの一種、SARSウイルスを電子顕微鏡でとらえた
中国メディアの報道によると、王氏は昨年12月、武漢で肺炎が広がった際に中国国家衛生健康委員会が現地に派遣した専門家グループのメンバーだった。少なくとも8日間、現地に滞在したとみられる。今月10日、国営新華社通信の取材に「いかなる病気も予防が大切だ」と語り、マスク着用のほか、運動で免疫力を高める重要性を訴えていた。
専門家が感染したことについて、中国のSNS上では「完全な予防策はないということだ」「感染力が相当高いのでは」などの不安の声が広がっている。
王氏は呼吸器や救急医療の専門で、北京大学第一医院の呼吸器科主任などを務める。2003年にSARSが大流行した際は陣頭指揮をとったという。日本での研修歴もある。(北京=冨名腰隆)
朝日新聞社
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2020-01-22 04:10:14Z
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