アンニュイとは、倦怠感や無気力、すべてが面白くない、充実していないなどの感情を含んだ感覚です。アンニュイは退屈と似たような意味で使用されがちですが、全く違う状態を指します。どんな状態がアンニュイに分類され、どうやって解消するべきかを、心理学と哲学に関する情報サイト「Effectiviology」を運営するイタマー・シャッツ氏が解説しています。
Ennui: How to Overcome Chronic Boredom – Effectiviology
https://effectiviology.com/ennui/
◆アンニュイと退屈の違い
アンニュイと退屈には大きな違いがあります。アンニュイは、主に個人の性格や精神状態などの内的な要素が原因となって、長期間にわたって発生します。反対に、外的な状況や環境などが原因となって、短期間発生するのが退屈です。
つまり、アンニュイを感じている人は、長い間、何もしたくない無力で無関心な状態が続き、何も行動を起こそうとしなくなります。一方で、退屈を感じている人は、退屈を解消するために積極的に行動を起こそうとし、短期間で退屈は解消されるというわけ。
◆アンニュイな気分の見分け方
仕事や趣味の活動を行っていても退屈を感じてしまう場合や、「退屈さをどう解消したらいいか分からない」と感じている場合も、アンニュイであると分類されます。
シャッツ氏は、アンニュイであるかどうかを判断するために、以下のリストを作成しました。1つでも当てはまっていればアンニュイである可能性が高く、該当する項目が多いほど事態は深刻であるとシャッツ氏は推測しています。
1:頻繁に退屈さを感じる。
2:普段こなしているルーチンワークの動きが遅くなったように感じる。
3:楽しかった思い出が思い出せない。
4:以前は面白いと感じていたものに対して、熱意や興奮を感じられない。
5:やっていることに対して「意味がない」「充実していない」と感じる。
6:人生や仕事、勉強、趣味などに不満を感じる。
7:自分の将来がどうなるか気にならない。
8:やる気が出ず、何もする気が起きない。
9:肉体的、精神的に疲れ、エネルギーが不足していると感じる。
なお、シャッツ氏は「アンニュイという概念の正式な定義はなく、あくまで一般的なアンニュイの特徴を並べた項目であるため、事実に基づくガイドラインとして解釈すべきではありません」とも述べており、明確な科学的根拠があるわけではないとのこと。
◆アンニュイへの対処法
シャッツ氏は、アンニュイを解消する第一歩として「自分が本当にやりたいことは何か」を考えることを提案しています。「何に時間を使いたいか」と考えるのではなく「限られた時間で何をやりたいのか」と自分に問いかけるのが重要とのこと。
今まで経験したことがないことに挑戦するのも、アンニュイから脱却する方法の1つです。「新しい趣味を試してみたり、新しい人に会ったりするのもいいでしょう。いつもの自分なら『できない』と思ってしまいそうなことでも、『できる』と思い切って挑戦してみましょう」とシャッツ氏は語っています。
また、アンニュイの原因を突き止めて、やめる努力をすることも重要です。原因の1つとして、だらだら同じことを続けてしまう、例えばテレビをぼんやり見続たり、単調なゲームで遊び続けてしまう傾向がある人は、テレビやゲームがアンニュイの原因になっている可能性があります。
他にも、やらなければならないルーチンワークに制限時間を設けたり、目標を設定したりすることも効果的とのこと。元気が出る音楽を聴いたり、しっかりと休息を取ることも大切です。
「アンニュイに対処するための方法は、人によって異なります。自分自身にとって最も適した方法を見つけるために、まず自分自身を把握し、『本当にやりたいことは何か』をしっかり見極めることが重要です」とシャッツ氏は語っています。
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May 01, 2020 at 05:00AM
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