Search

「緊急事態宣言」延長で考慮すべき“第2波”が襲来している北海道の教訓(水島宏明) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

「緊急事態宣言」が5月6日に解除されるのか延長されるのかどうか全国民が注目している。

 現在、政府内では5月末まで延長する案が有力だと各メディアが伝えている。

 筆者はその際に参考にすべきは北海道のケースだと考える。

 その理由は以下の通りだ。

北海道は全国の自治体に先駆けて独自の「緊急事態宣言」を出した。

 不要不急の外出自粛を呼びかけるなどで一定の効果が見られた。そしていったん解除した。

その後、いま感染拡大の第2波の襲来に見舞われている。

 もちろん法律に基づいた政府の緊急事態宣言とそうした裏づけのない北海道のそれとは違いはある。

 とはいえ、解除のタイミングと第2波の襲来を考える上で大きな参考になるはずだ。 

緊急事態宣言の解除のタイミングを間違えると全国的な感染拡大につながりかねない。

 北海道の「第2波」襲来をめぐる最近の報道を見てみよう。

 新型コロナウイルスについて北海道で27日、新たに35人の感染が発表されました。中でも札幌市はこれまでで最も多い26人の感染が確認されています。

 「東京から1週間から2週間遅れた形で患者数の増加が動いている。第2波の非常に大きな波が来ていて、非常に厳しい状態が北海道にある。札幌のピークはもう少し先ではないかと考えている」(札幌市 山口亮 感染症担当部長)

出典:TBSニュース(4月27日)「北海道、新たに35人感染『第2波の大きな波』」

 札幌市は25日、市内で新型コロナウイルスに感染した人が新たに26人確認されたと発表した。1日あたりの新規感染者数としては過去最多を更新した。感染経路不明も相次いでおり、市の山口亮・感染症担当部長は「第2波の大きな波が来ており、感染爆発の状態に近づきつつある。医療崩壊の恐れも出てくる」と危機感をあらわにした。

 北海道内全体では39人の感染者が判明し、感染者数は延べ601人になった。このうち札幌市は半数以上の312人を占めている。

出典:朝日新聞(4月26日)「札幌でコロナ第2波か 感染者急増、『宣言』効果見えず」

  北海道の地元紙である北海道新聞は、さすがにこの第2波の報道についてたびたび伝えている。

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言について、感染者が増えている北海道や東京都などは、期限の5月6日の後も延長せざるを得ないとの意見が政府内で強まっている。終息のめどが依然立たず、警戒が緩むと「第2波」が拡大する恐れがあるためだ。宣言を延長する場合、北海道を含む13の特定警戒都道府県などに限る案や、引き続き全都道府県を対象とすることが想定される。

出典:北海道新聞(4月27日)「緊急事態 北海道継続か 政府、第2波拡大懸念 新型コロナ」

ウイルス感染から検査結果判定までに平均2週間かかるとされており、これまでの状況を分析すると、道独自の「緊急事態宣言」の終了直後から感染の「第2波」が広がり始めた状況がうかがえる。

 道によると、新たな感染確認者は、宣言最終日の3月19日から2週間後の4月1日まで1週間あたり十数人にとどまった。だが4月2日~8日は計26人に増え、4月9~15日は計105人で一気に膨らんだ。

出典:北海道新聞(4月18日)「道内『第2波』 知事の独自宣言終了後から 新型コロナ」

 北海道新聞は、地元が「第2波」にさらされているせいか「第2波」をめぐる外電も敏感に伝えている。外電というのは外国の事情を伝える通信社が配信する国際ニュースのことを指す。

 ドイツでの規制の緩和と「第2波」のリスクについて伝える共同通信の配信を記事にしている。

【ベルリン共同】ドイツ衛生当局は27日、新型コロナウイルスの感染が国内で再び拡大傾向にあると発表した。政府は今月中旬、新規感染者の増加率が鈍ったとして営業規制の一部緩和を決めた。しかし同国の専門家は人々の気が緩んで他者との接触が広がる結果、流行の「第2波」が全土を襲う可能性を警告した。

出典:北海道新聞(4月28日 )「 コロナ、ドイツで『第2波』警告 規制緩和が引き金と専門家

 他方で、全国紙の報道は北海道新聞ほどに「第2波」への敏感さがうかがえない印象だ。

新型コロナウイルスの感染が全国に拡大する中で、東京都内の患者数の増加に歯止めがかかるのか注目が集まる。29日時点の累計は4106人で、クルーズ船の乗員乗客らを除く全国の患者数の3割を占める。国の緊急事態宣言が発令されてから3週間が過ぎ、感染者数の伸びの鈍化が見えつつあるが、感染経路の不明者は依然多い。都はゴールデンウイーク(GW)が正念場として警戒を強めている。

出典:毎日新聞 (4月28日)「感染減少か第2波か 『伸び鈍化』の判断揺るがす経路不明、家庭感染、検査の格差」

 放送局もNHKも含めてこの点に注目した報道はあまり見当たらない。

 4月30日(火)のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』北海道、とりわけ「第2波」が襲っている札幌市について、新たな感染者の推移グラフを作成して伝えていた。

 最近はどのテレビ局やどの新聞社の記事でも毎日見るようになった東京都のグラフの「札幌市版」である。

 記事の冒頭に掲載したのは番組内で放送したこのグラフだ。

この推移グラフは「緊急事態宣言」とその「宣言の解除」、さらに「感染者の増加」の関係がよくわかる。

 札幌市は4月に入って感染者の数が急増している。

 前日4月29日、札幌では過去最多に並ぶ26人の感染が確認されている。

 4月25日、27日も同じ26人の感染が見つかっている。

 

2月28日、北海道は法的根拠を基づかない北海道独自の「緊急事態宣言」。

 このときの札幌の新規感染者はまだ1日5人にも届いていない。

 これによって3月前半上昇傾向だった感染者数は後半になって減り、いったんは落ち着いたように見えた。

4月7日、政府が7都道府県を対象に「緊急事態宣言」を出すが、北海道は含まれず。

 このことが影響したのか、札幌市の感染者は急激な上昇カーブを描き出す。

4月に入ってから札幌市の感染者数は増加の一途をたどっている。

 4月11日には初めて新たな感染者が10人を超えている。 

4月12日、北海道と札幌市が緊急共同宣言を発表。

 しかし1日10人前後だった新規感染者はコンスタントに10人を超えるようになり、さらに数日で20人を超えるようになっていく。

4月16日、政府は「緊急事態宣言」を北海道を含む全国に拡大。

 番組は秋元克宏札幌市長のコメントを紹介した。

(秋元克宏札幌市長=おととい)

「第2波が非常に大きな波になっている。

東京での感染状況が2週間ずれた状況で札幌、北海道に現れている」

 番組で他のメディア報道を引用して、いま札幌で感染者が増えている要因の一つを次のようにまとめている。

要因(1)目立つ夜の外出

3月27日(金)すすきの駅付近の滞在人数

前日比16%増

札幌市は4月前半の感染者の約4割が「夜間の外食など」の行動歴あり

(29日 産経新聞)

 出典をインターネットで調べてみると放送での日付とは1日違っていたが、4月28日の産経新聞だ。

北海道では2月28日から3月19日までの独自の緊急事態宣言により、感染が抑えられたはずだった。しかし、3月下旬には市内の人の移動が一時的に活発に。スマートフォンのGPS(衛星利用測位システム)の位置情報などを解析する「アグープ」(東京)によると、3月27日の金曜日には市営地下鉄すすきの駅付近は滞在人数が前日より16%アップ。札幌市は4月13日、同月の感染者の約4割は繁華街の接客を伴う飲食店の利用など「夜間の外出や飲食」の行動歴があることを明らかにしている。

出典:産経新聞(4月29日)「札幌に『大きな第2波』、目立つ夜の外出・飲食」

要因(2)首都圏などからの流入?

4月7日~数日間

ほぼ連日のように「東京滞在歴のある感染者」が新たに確認(札幌市)

(29日 産経新聞)

 この情報の出典もネットで探してみると、同じ4月28日の産経新聞のようだ。

一方、4月7日から数日間はほぼ連日のように東京滞在歴のある感染者が新たに確認。秋元市長は今回の第2波は道と首都圏などとの往来が増えたことが要因との見方も示しており、「連休中は医療機関が休診になるので、重症化する人が出る恐れもある」と警鐘を鳴らした。

出典:産経新聞(4月28日)「札幌に『大きな第2波』、目立つ夜の外出・飲食」

 番組ではここでも秋元札幌市長のコメントを引用している。

(秋元克宏札幌市長=おととい)

「(第2波は)首都圏などで発生が広がってきた状況で、移動された方から感染した可能性が非常に大きい」

 『モーニングショー』のスタッフが発見したように、北海道発の産経新聞の記事などにもっと注目する必要がある。

 あるいは秋元札幌市長が記者会見で何を発言したのかにも目を配っていくべきだろう。

 残念ながら首都圏でテレビニュースや新聞記事を見ていると、日々、登場しているのは安倍首相、東京都知事、あるいは大阪府知事ぐらいで札幌市長のコメントなどはほとんど報道されていない。

 緊急事態宣言が5月6日で解除されるのか、あるいは延長されるのか。またその場合の対象地域はどうなるのか。

 それを私たちが判断していくためにも、北海道の教訓をきちんと踏まえているのかをチェックしていく必要がありそうだ。

 緊急事態宣言で「自粛要請」をしても、その効果を見ることができるのは実際には2週間以上も後になってからの感染者数の上でだ。

 また北海道のグラフを見ても、いったん上昇カーブに転じてしまったら、後から「緊急宣言」をしても効果が限定的なことが分かる。

 大手メディアは単に政府や専門家会議の発表などを伝えるだめでなく、北海道の教訓をもっと分析した上で検証報道にもっと力を入れてほしいと思う。

Let's block ads! (Why?)



"全国ニュース" - Google ニュース
April 30, 2020 at 10:49AM
https://ift.tt/2YgYI9w

「緊急事態宣言」延長で考慮すべき“第2波”が襲来している北海道の教訓(水島宏明) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
"全国ニュース" - Google ニュース
https://ift.tt/2FHh5tP
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "「緊急事態宣言」延長で考慮すべき“第2波”が襲来している北海道の教訓(水島宏明) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース"

Post a Comment

Powered by Blogger.