大阪コロナ重症センター知事視察｜NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

大阪府が今月１５日から運用を始める新型コロナウイルスの重症患者専用の医療施設について、大阪府の吉村知事が７日、視察に訪れ、看護師が不足している問題について、自衛隊に派遣を要請していることを明らかにしました。

「大阪コロナ重症センター」は、新型コロナの医療がひっ迫するなか、大阪府が住吉区の「大阪急性期・総合医療センター」の敷地内に整備した重症患者専用の医療施設です。
今月１５日から運用が始まるのを前に、大阪府の吉村知事が７日、視察に訪れました。
この施設内には、重症患者専用の病床が３０床設けられ、すべての病床に人工呼吸器を配備しています。
吉村知事は、運用開始の１５日までに必要な看護師が不足しているとして、これまでに、全国知事会や関西広域連合などに対し看護師の派遣を要請しています。
視察のあと吉村知事は記者団に対し、これまでに８０人の看護師が確保できているとしたうえで「まだまだ足りていない。きのう、岸防衛大臣に自衛隊の派遣を要請をした」と述べ、自衛隊に看護師の派遣を要請していることを明らかにしました。
そのうえで吉村知事は、「重症患者を扱う技術のある人は少ないが数名程度は派遣いただけるのではないか」と述べ、派遣に期待感を示しました。

【大阪コロナ重症センターとは】。
「大阪コロナ重症センター」は、大阪府が住吉区の「大阪急性期・総合医療センター」の敷地内に整備した重症患者専用の医療施設で、１５日から運用が始まります。
施設内には重症患者専用の病床が３０床設けられ、すべての病床に人工呼吸器を配備しています。
３０床のうち３床は透析患者の治療を行う機器も設けられていて、透析と新型コロナの治療を同時に行うことができます。
また、センターではスタッフの待機場所から全ての病床が見えるよう、個室にはせず、カメラを各所に設置することで患者の情報を集約し、素早い患者対応につなげることができるとしています。
一方、ベッドが１つの個室を２つ用意してあります。
患者に家族が面会するスペースとして活用できるとしています。
課題となっているのは看護師不足です。
センターにある３０床すべてで患者を受け入れた場合、看護師が１３０人必要ですが、７日までに確保できているのは８０人にとどまっています。
大阪府の吉村知事はこれまでに、全国知事会や関西広域連合などに対し、看護師の派遣を要請しているほか、６日、防衛大臣と話して自衛隊に派遣を要請しています。

【奈良県 大阪府へ２人派遣へ】。
今月１５日から運用を始める大阪府の新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる医療施設で看護師が不足していることについて、奈良県は、来月から１か月間、看護師２人を派遣することを決めました。
大阪府は、今月１５日から運用を始める重症患者専用の医療施設「大阪コロナ重症センター」の看護師が不足しているとして、全国知事会や関西広域連合などに対し派遣を要請しています。
これを受けて、奈良県は、来月から１か月間、３０代の女性看護師、２人の派遣を決めました。
２人は県看護協会に所属し、現在は、軽症者や無症状者のために県が確保している宿泊療養施設で働いていますが、ＩＣＵ＝集中治療室などでの勤務経験があるということです。
奈良県は、「隣県でもあり、できるだけのことはしたいと考えたが、県内でも今後の感染拡大に備える必要があることから、医療機関の現場以外から看護師を派遣することを決めた」としています。

【滋賀県は６人を派遣】。
大阪府が運用を始める新型コロナウイルスの重症患者専用の医療施設で看護師が不足していることを受け、滋賀県は、今月１６日から１か月間、看護師６人を派遣することを決めました。
大阪府は、今月１５日から運用を始める重症患者専用の医療施設「大阪コロナ重症センター」の看護師が不足しているとして、全国知事会や関西広域連合などに対し派遣を要請しています。
これを受けて滋賀県は、県内の看護師６人を今月１６日から１か月間、センターへ派遣することを決めました。
派遣されるのは、県内で新型コロナウイルスの患者を受け入れる３つの病院から２人ずつ、合わせて６人で、人工呼吸器を装着した患者のケアをしたことがある看護師を選ぶということです。
滋賀県は、「県内でも感染拡大に対応していて大変厳しい状況だが、各自治体単位では対応が困難な状況に対し、府県間を超えて協力していきたい」としています。

【和歌山県は２人派遣の方向で調整】。
和歌山県は、関西広域連合から、新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる大阪府の医療施設に看護師の派遣要請があったとして、２人を派遣する方向で調整しています。

【看護師派遣 京都府や兵庫県は】。
今月１５日から運用を始める大阪府の新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる医療施設で看護師が不足していることについて、京都府は早ければ来週にも２人の看護師を派遣する方向で調整しているとしています。
一方、兵庫県は県内の感染者数が増加しており、病床を増やす方向で対応するなか、大阪への看護師の派遣は難しいとの立場です。
兵庫県の井戸知事は、４日の県議会で「追加的に大阪への看護師の派遣等を行うことは状況としては難しいのではないかと考えています」と述べました。

【重症センターの看護師募集】。
大阪府は、「大阪コロナ重症センター」で働く看護師を募集していて、７日からはホームページでの呼びかけを始めました。
募集しているのは、人工呼吸器を装着する際のケアの経験があり、１か月程度の勤務が可能な看護師です。
勤務は２交代制で、１か月で日勤が８回、夜勤が６回程度で、給与は５０万円程度を見込んでいます。
宿泊施設は無料で、重症センターへは無料の送迎バスも用意されるということです。
問い合わせ先は、大阪府の感染症対策課で、電話番号は０６−６９４１−０３５１です。

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December 07, 2020 at 03:37PM
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