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香港政府、デモ参加者のマスク着用禁止 緊急法5日施行 - 産経ニュース

香港政府、デモ参加者のマスク着用禁止 緊急法5日施行 - 産経ニュース

香港の金融街で開かれた集会で、生徒を銃撃した警察を批判するプラカードを掲げる参加者=2日、香港(田中靖人撮影)
香港の金融街で開かれた集会で、生徒を銃撃した警察を批判するプラカードを掲げる参加者=2日、香港(田中靖人撮影)

 【香港=田中靖人】香港の林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は4日、諮問機関、行政会議の臨時会合を開き、「緊急状況規制条例」(緊急法)を発動し、デモ参加者のマスク着用を禁止する「覆面禁止法」を緊急立法で制定することを決めた。5日に施行される。緊急法の発動は英国統治下の1967年、中国共産党支持派による大規模な暴動が起きて以来で、香港情勢は新たな段階に入った。

 緊急法が22年に制定されて以降、発動は2回目。同法は、行政長官と行政会議が「緊急事態または公共の安全に危害が及ぶ事態」と判断した場合、立法会(議会)の審議を経ずに「公衆の利益にかなう規則」を制定できると定めている。通信や報道、集会、移動の自由を制限し、最高で終身刑の罰則を科すことができるため、民主派は「事実上の戒厳令だ」と反対してきた。

 覆面禁止法はデモ参加中に顔を覆うことを禁じ、違反者には禁錮刑を科す。同法を制定しても、火炎瓶の使用や地下鉄の駅施設の破壊などの違法行為に加わる先鋭化したデモ参加者が順守する可能性は極めて低い。ただ、政府側は一般市民のデモ参加を減らす効果があるとみているようだ。

 覆面禁止法はマスクで顔を隠すことがデモの過激化の一因だとして親中派議員が法制化を主張。2日には警察官で作る団体も制定を求めていた。政府寄りの地元紙は4日、林鄭氏が1日の中国の建国70年記念日の衝突を受け、緊急法発動の準備を急いだと報じた。

 同紙は3日、政府が夜間外出禁止令を検討していると伝えたが、親中派有力議員が「警察に負担がかかり実行は不可能」と反対。林鄭氏は、政府支持派の同意を得やすい覆面禁止法の制定を選んだとみられる。

 民主派議員は3日夜、ネットメディアへの寄稿で、緊急法発動は「火に油を注ぐ自殺行為。外資の撤退を招き、香港へ大きな損害となる」と批判した。

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2019-10-04 07:32:00Z
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