茨城県内の圏央道には、76キロにわたってパーキングエリア(PA)やサービスエリア(SA)などの休憩施設がない区間がある。「魔のトイレ空白区間」と呼ばれ、全国でもほぼ最長とみられるが、国などが今年6月、ほぼ中間地点の坂東市に「坂東PA」を建設する方針を決め、早ければ2022年度中の使用開始をめざして整備を進めている。
圏央道は、都心から約40~60キロを環状に走る全長約300キロの自動車専用道路で、県内を通っているのは五霞町~河内町の約70・5キロ。トイレ休憩できるのは稲敷市にある江戸崎PAだけで、ここから西に76キロ先にある菖蒲(しょうぶ)PA(埼玉県久喜市)まで休憩施設がない。新設される坂東PAは、坂東ICの東約2キロ地点に上下線それぞれで整備される予定だ。
年に数回、成田空港まで行くのに圏央道を利用するという埼玉県上尾市の50代の男性は「特に子どもを乗せる時は、いつも菖蒲PAまでに休憩するよう気をつけているけど、不便ですね」と漏らす。
国土交通省によると、全国の高速道路で休憩施設が25キロ以上ない区間は約100カ所ある。
高速道路を管理する全国の各ネクスコによると、休憩施設間の距離が最も長いのは、ネクスコ東日本の管内では江戸崎PA―菖蒲PA。同中日本管内では、厚木PA(神奈川県厚木市)―狭山PA(埼玉県狭山市)間の約50キロで、同西日本管内は、西宮名塩SA(兵庫県西宮市)―南丹PA(京都府南丹市)間の約72キロ。
ネクスコの管轄ではない高速道路があるため明確にはわからないが、休憩施設がない区間は、江戸崎―菖蒲間が全国でほぼ最長とみられる。同東日本によると、圏央道の「トイレ空白区間」については以前から、利用者から「休憩施設を増やしてほしい」という要望が出ていたという。
朝日新聞社
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2019-11-28 09:12:38Z
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